会議革命



会議革命
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報告ばかりで形骸化している、目的が不明確、結論の先送りばかり、発言しにくい雰囲気がある、決まったシナリオをなぞるだけ…。日々の会議になにかと不満をもっている人は多いはずだ。本書は、そうした会議の改善策を「十の法則」にして講じるほか、「三つの革命」で独自の会議スタイルを提案する。

?「十の法則」では、たとえば、部下のアイデアにネガティブなコメントをして権威を示すような上役の意識や、あらかじめ決められている参加者の序列、発言権を問題視して、「会議ではゴールを生んだかどうかが全て」「アイデアを出す人が偉い」との認識を共有すべきと強調する。また「結果の出やすい」テーマの設定や、必ず何かを決めてから会議を終えることの徹底、暗黙知の共有でアイデアを出す方法などを提案。ホワイトボードの使い方、机や椅子の配置、話し方、コーヒーブレイクの入れ方といった細かいアドバイスも行う。

一方の「三つの革命」では、参加者が2人1組になって特定の「ポジショニング」で向き合い、「キーワード・シート」にアイデアを書き込んでいく「マッピング・コミュニケーション」というスタイルを提案する。これにより、一人では思いつかないようなアイデアや力を出し切ったという充足感が得られ、会議の効率や生産性のアップも図れるという。

著者は『声に出して読みたい日本語』シリーズでも有名な、身体論やコミュニケーションの専門家。幅広い知見を取り入れたノウハウが新鮮で、会議に対する従来の認識を一変させてくれる。(棚上 勉)



他の会議本とは一線を引く本

齋藤氏の本には多数目を通しており、
また彼の講義も実際聴いた事のある上で思った率直な感想は
「齋藤氏の主張は原理原則がしっかりしている」である。
教育論でも、人生論でも出てくるような話を会議の場で活用している。
これを主張の使い回しと見る意見もあるようだが、
私は逆に齋藤氏が、自分自身の主張が、
どのような場面においても活用できることを証明しているように思える。

齋藤氏が主張されていることは至って単純である。
しかし、その単純であることをきちんと形に残し、
実践例を明確に示すことは先人の行わなかったことである。

例えば、野中郁次郎氏が主張している暗黙知を言語化することに
価値があることは皆承知している。
しかし、それに価値があるということが分かっていても
「じゃあ、どうすればいいの?」
というところが、最も知りたいところである。
齋藤氏は、そこまでを様々な視点で紹介している。
ここまでヒント出してくれたら、あとは会議リーダーのスキル次第である。

ただ、齋藤氏の主張の引き出しには、まだまだ会議の改善に繋がるものがあるのでは?
『会議革命2』や『会議革命(改訂版)』という形で、もう一冊分くらいのネタがあるはず。
そこを出し惜しみしたのか、急いで書いたのかは分からないが、
もう少しボリュームのあるものにしてほしかった。

実際に活用してみました

 御前会議スタイルはよくない、と書いてあったこの本を読んだ直後、ある大会の分科会のファシリテータとして会場に赴いたら、そのまんま、長方形にテーブルが並んでいて慌てました。でも、人間が動いてなんとかなりました。
 本書にはホワイトボードの活用も説いてあったので、急いで用意してもらって、板書を参加者のひとりに頼みました。意見が出揃い、コメントを述べてもらった最後には、板書を担当した方にも感想を求め、板書を見ながら意見をまとめました。全員の意見が尊重された気分で(?)幕は閉じられました。
 本書の特徴は、他の著書にもいえますが、必ず三色ボールペン的発想が提案されています。でも、板書をお願いした方がそれを実践できるかは定かではないですから、ファシリの頭の中で活用するに留まります。
 マッピングの提案も、習得していれば活用できますが、やはり、知らない人が多い実情では、ファシリ一人でボードに展開していくしかないですね。それでも、参加者一同が情報を視覚として共有できますのでかなり有効です。
 本書には盛りだくさんのアイデアは提案されていませんが、ただ、活用できるものばかりなので「内容がない!」なんていわないで、ぜひパラパラとでも目を通してみることをお勧めします。「会議革命」とはおおげさですが、発言の出にくい、時間の無駄遣いのような大会の分科会では役に立ちます。
齋藤孝先生の会議に対する提案 

齋藤孝先生の 会議革命の10の法則

 1 とにかくアイデアを出す
 2 「結果の出やすい」テーマ設定をする
 3 三色に色分けして、聞く、話す
 4 インスパイアアイテムを用意する
 5 身体のモードを切り替える
 6 他人の脳ミソを使う
 7 ホワイトボードに書き込む
 8 スポーツ感覚でいどむ
 9 全員の顔が見える位置に座る
10 何かを決めてから会議を終える

 それぞれの項目で中に何か興味がひかれてば、そこだけ読んでも充分に楽しめます。特に個人的には9の話がためになりました。2人でミーティングをとる際には、対面で打合せをするのではなく、二等辺三角形の形体にすると述べているが説得力あり。会議をもっとよくしたいという方は是非一読下さい。
実は日本の社会批判かも

 まあ、無駄はもともとで移動の時間つぶしのつもりで手にとって、これはと膝を打ったのがこの本である。この手法のようなやり方はあんがいむずかしいのだが、だからといって無理なのではない。マニュアルどおりやる必要も無いし、エキスだけ抽出して我流を通したっていいだろう。こういうスタイルを取れるという環境こそ会議に臨む基本姿勢な訳なのだが、それができないのが日本という社会なのである。そういう日本の社会論として読むことだって可能なのである。
 この本にある会議スタイルは、実は発想法であって、実際に今存在している会議とは別物と考えた方がいい。ひょっとすると会議であるという定義にも入らないものなのかもしれない。話し合って何かをしたり、何かを決めるという手法は、会議の解体にこそあるということか。こういうことができると確かに楽しいだろうなあという気はするが、こういうことができる環境にする労力の方が大変そうな予感もある。それぐらい現状は悲惨なのである。会議をどうにかしようという考えは、今会議に参加している連中を取り替えない限り不可能なのかもしれない。さまざまな改革が叫ばれる昨今、まずは会議革命から取り組む必要があるということなのだろう。
アイディアを出す会議に特定される方であればいいのでは

タイトルの内容から、会議を効率的に進めるための必要条件を期待しましたが、アイディアを出すためのディスカッションを活発にするための手法とその心構えといった側面が強いと感じました。ですから決済する会議向けというよりも企画系の会議が多い方でしたら、参考になると思います。



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